市岡歯科医院では、金属を使わない身体に優しい「メタルフリー治療」をご提案しております。
現在歯科治療において、詰め物や被せ物に主に使用されている材料は、「金銀パラジウム合金」や「銀合金」、「アマルガム」というもので、いわゆる「銀歯」です。これは保険が適用となるため安価で、また、金属であるため耐久性もあるので、長年使用されてきました。しかし、昨今金属アレルギーへの不安や見た目の悪さ、または歯グキへの悪影響など様々な問題が指摘されています。
「金銀パラジウム合金」や「銀合金」等の金属を歯科材料で使用しているのは、先進国では日本だけといわれています。パラジウムという金属は 、「リンパ球幼若化テスト」という「金属アレルギー検査」では約半数の人に陽性反応が出る金属です。ドイツやスウェーデンでは 保健省が歯科業界に対して「幼児及び妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と水銀・銀アマルガム合金を使用しない」という勧告を行なったほどです。
ドイツなどの医療先進国では、 パラジウムが体に与える悪影響を考慮して、「パラジウムフリー(パラジウムを含まない)」の金属を使うことを強く推奨しており、外国製の日本向けの歯科金属のパンフレットでも「この金属はパラジウムを含みません」ということを表記しているほど、 パラジウムは身体に良くないということは、海外で、とりわけ医療先進国では広く認識されているのです。
通常、保険の治療では、プラスチックの他に、水銀アマルガムを充填(じゅうてん)したり、金銀パラジウム合金などの金属の詰め物や被せ物がよく使用されます。
保険が使えて安価ですし、金属は頑丈であるというメリットはありますが、お口の中の劣悪な環境の中で、金属は「イオン化」「溶出」し、体に取り込まれていき、「金属アレルギー」が引き起こされてしまうことがあります。また、「ガルバニー電流」と呼ばれる電流が、金属から常に発生し、身体の不調がでたりするということも言われています。セラミックなど金属を使用しないことはこれらのことの予防にもつながります。
金属の土台(メタルコア)や金属の被せ物などから溶出した金属イオンが歯ぐきに染み込んで、「メタルタトゥ」と呼ばれる黒いシミができてしまうこともあります。
メタルタトゥは「金属の刺青」とも言われているように、多くの場合、歯ぐきの奥深くまで金属イオンが浸透してしまっており、簡単に取れないことが多く、ケースによっては、外科的にメスなどで切り取る手術が必要になることもあります。ファイバーコアなど、金属ではない土台を使用すことはメタルタトゥの予防にもつながります。
金属の土台(メタルコア)は非常に硬いため、応力が集中した時に「歯根破折(しこんはせつ)」を起こしやすくなります。歯根破折を起こしてしまうと、通常、抜歯となります。ファイバーコアなど、金属ではない、適度な「しなり」のある土台は、歯根破折の予防にもつながります。