メリット
- ・自分の歯と同じ様に噛む事ができます。
- ・異物感がありません。
- ・他の歯に悪影響を及ぼしません。
- ・噛む力は天然歯と同程度まで回復します。
- ・周りの歯を削らずに治療できます。
- ・1本の歯を失った方から、全ての歯を失った方まで治療ができます。
- ・天然歯(自分の歯)と同じようにきれいで美しい歯を取り戻すことができます。
- ・顎の骨に直接咬む力が伝わるので、骨が萎縮するのを防ぐ効果があります。
入れ歯は、1本~数本の歯を失った場合の「部分入れ歯」と、上下それぞれ、全ての歯を失った場合の「総入れ歯」とがあります。
部分入れ歯の場合は、残っている歯を多少削って、入れ歯を支える金属のバネ(クラスプ)が掛かりやすくします。部分入れ歯を装着して噛み合わせた時には、入れ歯がガタついたりたわんだりしますが、金属のバネが健康な歯にひっかかっていることによって、ある程度、入れ歯の動揺を抑える仕組みになっています。ただ、金属のバネが掛かる歯で、噛み合わせの力を負担するので、揺さぶられ、過度な負担がかかり、数年でこれらの歯が抜歯に至ることも珍しくありません。また、咬む力は半分以下になってしまうこともあります。
総入れ歯の場合、安定した入れ歯は面積が大きく作られることが多いため、異物感が強く、発音がしづらいということもあります。また、食べ物の温度を感じにくかったり、味覚が落ちることもあります。
「クラスプ」とは、部分入れ歯と残っている歯をつなぎとめる金属のバネのことです。金属のバネで鉤歯の歯冠をとりまき、緊密に適合させた環に近い形のもので、その一部は歯頸部寄りのアンダーカット域にかかり、括約力と摩擦抵抗で、脱離や動揺に抵抗し、維持力を発揮します。しかし、「クラスプを掛けた自分の残っている歯を引き抜いてしまう作用」があるので、他の歯科医療先進国では既にほとんど使用されていない方法でもあります。
ドイツのKiel大学のKarlheinz Körber教授が著した、1975年に出版され、日本でも1982年に訳書が出されている“歯科補綴学”の教科書の中には、クラスプ義歯がいかにダメな入れ歯なのか、静力学的にも動力学的にも長期間安定して機能を維持できないだけでなく、鉤歯(残っている自分の歯)を引き抜いてダメにしてしまうということについて詳しく解説しています。インプラントの場合、歯のない部分の骨に人工の歯根を埋入し、その上に新しい歯を装着するという治療方法ですので、部分入れ歯のようにがたついたりせず、自分の歯のように強い力で噛む事ができ、入れ歯のように大きくないので異物感がありません。また、入れ歯と比べると隣の歯などに負担をかけないですみますので、再治療の頻度も低く、入れ歯をすると、歯がどんどん無くなってしまうというような状況も回避できます。
ただ、インプラントにも優れたメリットはありますが、症例によってはブリッジや入れ歯の方が良い事があります。したがって、まずはしっかりとした診査に基づいた診断が必要となってきます。つまり、インプラントは、いくつかある欠損補綴(失われた歯の機能を補う)の方法の一選択肢であり、かならずしもどなたにもインプラントが最適な治療であるとは限らないということです。そのため、まずは歯科医師と患者様でよく話し合って、最適な治療法を決めていくことが最も大切です。