このような症状がある場合、特に歯周病が進行している可能性があります。早めに歯科を受診されることをお勧めします。
レントゲン撮影をして歯槽骨の破壊状態を確認します。
「プロービング(歯周ポケットの測定)」によって、歯周病の進行状態を確認します。プロービングでは、「歯周ポケットの深さ」と「出血の有無」を確認できます。これによって「炎症の存在」と「歯周病の進行度」が分かります。
「プラークコントロール」とは、歯周病の原因となる「歯垢(プラーク・バイオフィルム)」を「作らせない・留まらせない」ためのものです。せっかく歯科医院で定期メインテナンスを受けていたとしても、日常がプラークだらけのお口のままでは良い治療結果は期待できません。
歯周病の治療は、歯科衛生士や歯科医師だけでは全てを解決することは難しい治療です。ご自身による日常ケアは、歯科衛生士や歯科医師によるメインテナンスや治療と同じく重要です。
TBIでは、日常のセルフケアのため、歯科衛生士が、それぞれの患者さんのお口の状態にあった、「1本1本の歯をしっかりと磨ける方法」をご指導いたします。
薬剤を使用し、プラークを染め出すことで、より上手な磨き方を身につけていただきます。
歯肉縁上(しにくえんじょう)とは、歯肉縁(歯と歯ぐきの境目)より上の、外から見えている部分のことをいいます。
歯肉縁下(しにくえんか)とは、歯肉縁より下の、外から見えない部分をいいます。
通常歯科医院では「歯肉」を省略して、縁上○○・縁下○○のように使われていることが多いようです。
「スケーリング」では「歯ぐきから見える部分(歯肉縁上)」の歯石や汚れを、「超音波スケーラー」などの専用の器具で器械的に除去します。歯石は、たくさんの微細な穴がある構造のため、汚れが停滞しやすく歯周病菌増殖の温床となるので、除去する必要があります。
歯肉縁上の歯石を除去した後は、数週間おいて歯の周りの再検査を行い、歯周病の状態を確認します。軽度の歯周病の場合は、歯肉縁上の歯石除去と、適切なプラークコントロールで、改善されることがほとんどです。
歯肉縁上の歯石を除去した後、歯の周りの再検査によって「歯茎より下の見えない部分(歯肉縁下)」の歯石がある場合は、「スケーリングおよびルートプレーニング(SRP)」を行います。
炎症により歯の周りの組織が破壊されて露出したセメント質は、粗造な構造で、プラークが入り込みやすい状態です。器具でセメント質を平らにすることで、プラークを付きにくくし、歯周病の進行を防ぎます。
ルートプレーニングは、1週間に2回を目安に、数度にわけて行い、一定期間をおいてから再検査を行い、歯石や汚れの付着状態や症状の改善のチェックを行います。
歯周病で歯が移動することにより、歯に過度の力が加わると歯周病が悪化しやすくなるので、咬み合せを調整することで歯への過度な負担を解消させることができます。
辺縁の合っていない補綴物(被せ物など)は、削って段差を無くしたり、新しいものに作り変えます。
歯周病が中等度以上に進行している場合には、基本治療であるスケーリング・ルートプレーニングだけでは完全に歯周ポケットがなくならないこともあります。
スケーリング・ルートプレーニングを行うことにより、歯肉の炎症状態は非常に良く改善していくことが多いですが、ハミガキが出来ない歯周ポケットが残る形態になっている場合もあります。この状態を放置すると、歯周ポケットの中で細菌が増殖しはじめ、歯周病が再発します。そのため、「歯周外科」が必要になってきます。
基本治療で改善しない場合には、麻酔を行い、「歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)」を行います。
スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬術のような、歯ぐきの中に器具を入れて行う暗視下での処置には限界がありますが、歯肉剥離掻爬術では、歯ぐきを切り開いての処置となりますので、直接肉眼で確認しながら患部を取り除くことができます。
顎の骨は再生する力をもっていますが、歯ぐきの治るスピードの方が早いため、骨が再生する前に凹んだ部分へ歯ぐきが入り込んでしまいます。そこで、再生させたい骨の部分に「エムドゲインジェル」を投与し、歯ぐきが入り込むのを防ぎながら骨の再生を促すという方法です。
エムドゲインは、スウェ-デンのビオラ社で開発された歯周組織再生誘導材料です。エムドゲインの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子どもの頃、歯が生えてくるときに重要な働きをするタンパク質の一種で、初めて歯が生えたときと同じような強い付着機能をもつ歯周組織の再生を促します。
部分的に顎の骨が痩せてしまった場合の治療法には、エムドゲインの他に歯周組織誘導法(GTR法)があります。 患者さんの血液からメンブレンを作り、再生させたい骨の部分にそれを置くことで、歯茎が入り込むのを防ぎながら骨の再生を促すという方法です。歯周組織が再生されてから(4~6週間後)もう一度切開して人工膜を取り除く手術をします。
これは、歯茎の形や量を調整して、美しい、また健康な口腔内を維持させるための手術のことを言います。歯茎の形なんてどうでもいいと思われるかもしれませんが、以外に少し形を変える、足らないところを足してあげることで、「笑顔」の印象が変わったり、歯の形態がずっと良くなったりします。
非常に繊細な手術を行いますので、当クリニックでは、マイクロスコープを用いてこの手術を行っています。一般的なイメージより日常臨床でこの手術は高い頻度で行っております。特にインプラント治療の仕上げにも用いることが多い手術です。外観を改善するだけでなく、歯茎の健康のために行うこともあります。
歯茎が炎症を起こして腫れあがってしまった場合に行い、不要な歯茎を切除し、歯と歯茎の間にプラークが停滞しにくい環境を作ります。
歯周病(歯槽膿漏)の影響によって、歯槽骨(歯を支える骨)が部分的に痩せてしまい、骨の形がデコボコになってしまうことがあります。そのままの状態ではプラークが停滞しやすく、歯周病がさらに進みやすくなる場合があり、それを改善させる一つの方法に歯槽骨整形術があります。歯槽骨を部分的に削って凹凸を無くすため、汚れが溜まりにくい状態にさせることができます。
歯周病は慢性疾患であるため、「治療は終わりです」と言われても、実はそのままではすぐに再発してしまいます。痛んだり、気になる症状がなければ歯医者には行きたくないと思います。しかし「悪くなってから歯医者に行く」というサイクルでは、そのうち歯を失ってしまうという結果が待っています。
例えばむし歯の場合、歯は治療することになると、その度に削ることになります。当然、その分だけ歯はどんどん小さくなっていっていきます。詰め物から被せ物、被せ物をする土台すら入れることができなくなると、抜歯となり、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療が必要になってしまいます。
れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療が必要になってしまいます。
歯周病の場合も、基本的な治療が一通り終わったとしても、ブラッシングを数週間放置したら、バイオフィルムは復活し、時を待たずに歯肉の炎症も復活してしまいます。また、定期的に歯科医院にメインテナンスに行かないと、自分自身では取り除くことが非常に難しい部分に、どんどんバイオフィルムができ、歯垢になり、歯石となっていき、やはり時を待たずに歯肉炎から歯周炎へと進んでしまいます。そしてまた歯槽骨の退縮がはじまってしまうのです。その結果、抜歯となり、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療が必要になってしまうのです。では、「歯を次々に失ってしまう流れ(次々欠損・咬合崩壊)」を食い止めるためには、どうしたら良いのでしょう。
一番大切なことは、歯科に行く「サイクル」そのものを変えることに尽きます。「治療することになってから歯医者に行く」というサイクルをやめて、「治療することにならないように、日頃から、定期検診とメンテナンスを受けに歯医者に行く」というサイクルに「切り替える」ことをお勧めします。どうせいずれ痛くなって歯医者にいくなら、痛くなる前に行く、ということです。
このことを実行することで、将来、自分自身の天然の歯を、高確率で残すことにつながり、また、将来的な治療費の負担軽減にもつながります。メインテナンスの頻度は、2~3ヶ月に1度が良いですが、お忙しい方でも、4~6ヵ月に1度はメインテナンスに来られることをお勧めいたします。
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提携医療機関 / KKR札幌医療センター、北海道大学附属病院、札幌医科大学附属病院
院長名 /市岡千春
院長略歴 / 1986年 東日本学園大学卒業 1991年 市岡歯科医院開業
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